長野県で公共工事の受注や入札参加を考えている建設業者にとって、**経営事項審査(経審)**は重要な手続です。
この記事の結論
公共工事を国・地方公共団体などから直接請け負おうとする建設業者は、一定の場合に経営事項審査を受ける必要があります。
ただし、経審を受けただけで入札へ参加できるわけではありません。
通常は、
決算変更届 → 経営状況分析 → 経審 → 入札参加資格申請
までを確認して進めます。
長野県知事許可の建設業者が公共工事への参加を考える場合、まず次の全体像を押さえておくと分かりやすくなります。
| 順番 | 手続 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 1 | 決算変更届 | 毎事業年度の決算内容・工事実績を届け出る |
| 2 | 経営状況分析 | 財務内容を分析し、Y点を算出する |
| 3 | 経営規模等評価 | X・Z・W点の審査を受ける |
| 4 | 総合評定値 | P点の通知を受ける |
| 5 | 入札参加資格申請 | 希望する国・県・市町村等へ別途申請する |
長野県で初めて経審を受ける方へ
行政書士植松悠一郎事務所では、
- 決算変更届
- 経営状況分析
- 経営事項審査
- 入札参加資格申請
のうち、現在どこまで終わっているかを確認し、必要な手続を整理します。
初回相談は無料です。
経営事項審査(経審)とは?
経営事項審査は、建設業者について、
- 経営規模
- 財務内容
- 技術力
- 社会性等
を客観的に数値化する制度です。
長野県の手引では、国や地方公共団体などが発注する一定の公共工事を直接請け負う建設業者は、経営事項審査を受ける必要があるとされています。
経審によって算出された総合評定値(P点)は、国・県・市町村などが入札参加資格の格付け等を行う際の客観的評価として使われます。
経審と入札参加資格は別です
ここは混同しやすい部分です。
| 手続 | 役割 |
|---|---|
| 建設業許可 | 建設業を営むための許可 |
| 経営事項審査 | 建設業者の経営・技術・社会性等を客観評価 |
| 入札参加資格審査 | 各発注機関の入札参加者名簿への登録・格付け |
つまり、
経審を受ける
=
自動的に公共工事の入札へ参加できる
という意味ではありません。
経審の結果を取得したうえで、実際に参加したい長野県、市町村、国の機関などについて、別途入札参加資格申請を確認します。
経審が必要になるのはどんな場合?
長野県の2026年7月改訂版手引では、国や地方公共団体などが発注する建設工事のうち、原則として次の金額以上の工事を元請として請け負う場合が対象とされています。
| 工事 | 請負代金額 |
|---|---|
| 建築一式工事 | 1,500万円以上 |
| その他の建設工事 | 500万円以上 |
ただし、発注者によっては、これより小さい工事でも経審を受けていることを入札・受注条件としている場合があります。
したがって、
「小規模な公共工事だから経審は不要」と金額だけで判断せず、参加したい発注機関の条件まで確認する必要があります。
経審の有効期間は「審査基準日から1年7か月」
経審で特に注意したいのが有効期間です。
経営事項審査の結果は、
審査基準日から1年7か月後まで
公共工事の受注について有効です。
ここで重要なのは、
結果通知書が届いた日から1年7か月ではありません。
審査基準日は通常、**申請日の直前の事業年度終了日(決算日)**です。
例:3月31日決算の場合
3月31日が審査基準日であれば、有効期間の終点は翌年10月31日です。
結果通知が届くまでに時間がかかっても、起点は決算日のままです。
重要
前回の経審が切れるまでに新しい結果通知を受けられないと、経審が有効でない空白期間が生じます。
その期間は、経審が必要な公共工事を直接請け負えません。
そのため、公共工事を継続して受注する事業者は、原則として毎年経審を受ける運用になります。
経審は決算後いつまでに申請すればよい?
経審そのものについて、
「決算から4か月以内でなければ申請できない」
という申請期限ではありません。
ただし、経審の有効期間に空白を作らないため、長野県の案内では決算日から4か月以内を申請の目安としています。
例えば3月31日決算であれば、
7月末頃まで
が一つの目安になります。
一方、決算変更届は別です。
建設業許可を受けた事業者は、毎事業年度終了後4か月以内に決算変更届を提出する必要があります。
長野県で経審を受ける流れ
STEP1|決算を確定する
まず、法人または個人事業の決算を確定します。
経審では、この決算日が原則として審査基準日になります。
↓
STEP2|決算変更届を提出する
建設業許可の決算変更届を長野県へ提出します。
決算変更届では、
- 工事経歴書
- 直前3年の工事施工金額
- 建設業法様式の財務諸表
などを作成します。
↓
STEP3|経営状況分析を申請する
国土交通大臣の登録を受けた登録経営状況分析機関へ申請します。
ここで財務内容を分析し、**経営状況評点(Y点)**が算出されます。
↓
STEP4|長野県へ経営規模等評価を申請する
長野県知事許可業者は、長野県建設部建設政策課へ申請します。
審査対象となる主な項目は、
- X:経営規模
- Z:技術力
- W:社会性等
です。
↓
STEP5|総合評定値(P点)の通知を受ける
X・Y・Z・Wの評価を基に、**総合評定値(P点)**が算出されます。
なお、長野県の公式案内では、経営状況分析と経営規模等評価はどちらを先に行っても構わないとされています。
ただし、経営規模等評価と同時に総合評定値を請求する場合は、先に経営状況分析結果通知書を取得しておく必要があります。
↓
STEP6|入札参加資格申請を行う
経審の結果通知を取得したら、必要に応じて、
- 長野県
- 市町村
- 国の機関
- その他の公共発注者
へ入札参加資格申請を行います。
長野県の経審は郵送と電子申請に対応
長野県知事許可業者の経営規模等評価は、
- 書面による郵送申請
- JCIPによる電子申請
のいずれでも申請できます。
書面申請
提出先は、
長野県 建設部 建設政策課 建設業担当
です。
電子申請
建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)を利用します。
JCIPを利用するには、
- GビズIDプライム
- GビズIDプライムから作成したGビズIDメンバー
のいずれかが必要です。
電子申請では、確認資料もPDF等でアップロードします。
長野県では結果通知は原則月2回
長野県では、書類に不備がない場合、申請書の提出時期によって結果通知日が決まっています。
| 県に不備なく提出された時期 | 原則の交付・発送日 |
|---|---|
| 前月26日~当月10日 | 翌月10日 |
| 当月11日~25日 | 翌月25日 |
ただし、書類に不備があり補正が必要になった場合は、次回以降の交付日へずれることがあります。
有効期間切れが近い場合は、ぎりぎりの提出を避けた方が安全です。
経審では何を点数化する?
経審では、主に次の4分野を評価します。
| 評価 | 主な内容 |
|---|---|
| X | 完成工事高・自己資本額等 |
| Y | 経営状況 |
| Z | 技術職員・元請完成工事高等 |
| W | 社会性等 |
これらを基に**総合評定値(P点)**が算出されます。
点数は申請書の書き方だけで決まりません
経審では、
- 完成工事高
- 元請完成工事高
- 技術職員
- 財務内容
- 建退共
- 防災協定
- CPD
- CCUS
- 建設機械
- ISO等
実際の事業状況や取組が評価対象になります。
したがって、
「申請書を工夫すれば簡単に点数が上がる」という制度ではありません。
審査基準日時点で実際に要件を満たしているか、その事実を確認資料で立証できるかが重要です。
2026年7月1日から経審制度が一部改正されています
2026年7月1日以降に申請する経審には、新しい制度が適用されています。
主な変更点は次のとおりです。
2026年7月改正の主なポイント
- 「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」をWの評価項目に追加
- CCUSの就業履歴蓄積に関する評価を見直し
- 建設機械の評価対象を拡大
- 社会保険加入状況に関する従来の評価項目を削除
長野県でも、2026年7月1日以降の受付分について、新しい申請書、手引、チェックシートが公開されています。
これから経審を申請する場合は、旧様式ではなく2026年7月以降の現行様式を使用する必要があります。
長野県の経審申請手数料
長野県へ支払う経審の手数料は、審査対象業種数によって変わります。
| 申請内容 | 手数料 |
|---|---|
| 経営規模等評価のみ | 8,100円+2,300円×業種数 |
| 総合評定値のみ | 400円+200円×業種数 |
| 経営規模等評価+総合評定値 | 8,500円+2,500円×業種数 |
例
| 審査対象業種 | 手数料 |
|---|---|
| 1業種 | 11,000円 |
| 2業種 | 13,500円 |
| 3業種 | 16,000円 |
このほかに、登録経営状況分析機関へ支払う分析手数料が必要です。
分析手数料は利用する機関によって異なります。
経審で準備する主な書類
必要書類は申請内容によって異なりますが、長野県の2026年7月用チェックシートでは、主に次のような書類を確認します。
申請書類
- 経営規模等評価申請書・総合評定値請求書
- 工事種類別完成工事高
- 技術職員名簿
- その他の審査項目(社会性等)
- 経営状況分析結果通知書
- 各種加点項目に関する所定様式
主な確認資料
- 法人税確定申告書・財務諸表
- 総勘定元帳等
- 消費税関係資料
- 工事経歴書
- 工事請負契約書等
- 技術職員の資格を確認する資料
- 技術職員の常勤性を確認する資料
- 建退共関係資料
- 法定外労災関係資料
- 防災協定関係資料
- CPD・CCUS関係資料
- 建設機械関係資料
- ISO・エコアクション21等の資料
注意
すべての会社が上記書類をすべて提出するわけではありません。
申請する業種、技術職員、加点を受ける項目、電子申請か書面申請かなどによって必要書類は変わります。
行政書士へ依頼する場合の料金
行政書士植松悠一郎事務所の現在の報酬目安は次のとおりです。
| 手続 | 報酬(税込) |
|---|---|
| 決算変更届 | 33,000円~ |
| 経営状況分析申請 | 33,000円~ |
| 経営事項審査 | 55,000円~ |
| 経審関連3業務 合計目安 | 121,000円~ |
| 入札参加資格審査申請 | 44,000円~ |
「経審関連3業務」は、
決算変更届+経営状況分析申請+経営事項審査
をまとめて進める場合の目安です。
経営状況分析機関へ支払う分析手数料、長野県へ支払う経審手数料、証明書取得費などの実費は別途必要です。
また、
- 工事実績の整理量が多い
- 工事経歴書の作成に通常以上の確認が必要
- 多数の技術職員を確認する
- 加点項目の確認資料が多い
- 過年度の決算変更届が未提出
などの場合は、正式なご依頼前に内容を確認してお見積りします。
初めて経審を受ける場合は、まずこの6点を確認
初めて公共工事へ参加する事業者の場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
初回確認チェック
- 建設業許可を取得しているか
- 公共工事で受注したい業種は何か
- 直近の決算変更届を提出しているか
- 完成工事高・元請完成工事高を整理できるか
- 技術職員を確認できるか
- どの発注機関の入札へ参加したいか
建設業許可自体をまだ取得していない場合は、先に建設業許可の要件を確認します。
経審を行政書士へ依頼するメリット
経審では、申請書だけでなく、
- 決算変更届との整合
- 工事経歴
- 完成工事高
- 元請完成工事高
- 技術職員
- 経営状況分析
- 社会性等の加点項目
- 入札参加資格申請
まで関連します。
行政書士へ依頼する場合は、単に経審申請書を作るだけではなく、
現在どの手続まで終わっていて、公共工事への参加まであと何が必要なのか
を整理して進めることができます。
行政書士植松悠一郎事務所では、大町市を拠点に、長野県内の建設業者の建設業許可・決算変更届・経審・入札参加資格申請に対応しています。
長野県で経審・入札参加を検討している方へ
次のような段階からご相談いただけます。
- 初めて公共工事への参加を考えている
- 経審を受けたことがない
- 経審の有効期限を切らしたくない
- 決算変更届から進めてほしい
- 経営状況分析と経審をまとめて依頼したい
- 経審後の入札参加資格申請まで確認したい
現在の許可状況、決算時期、工事実績等を確認したうえで、必要な手続と順番をご案内します。
初回相談は無料です。

