「会社の代表者が変わったけれど、建設業許可でも届出が必要?」
「事務所を移転した場合、法務局の登記だけでいい?」
「営業所技術者等が退職した場合、いつまでに届け出ればいい?」
建設業許可を取得した後、会社や営業所の内容に変更があった場合は、建設業法上の変更届が必要になることがあります。
しかも、変更内容によって提出期限が異なります。
この記事の結論
建設業許可取得後の変更届には、大きく、
2週間以内
30日以内
事業年度終了後4か月以内
という期限があります。
特に、
- 常勤役員等
- 営業所技術者等
の変更は許可要件そのものに関係するため、早急な確認が必要です。
また、会社登記や社会保険の手続きを済ませても、建設業許可の変更届が自動的に行われるわけではありません。
長野県の現在の変更届の取扱いは、長野県「許可を受けた後の手続き」で確認できます。
- 建設業許可の変更届とは?
- 変更届の期限は内容によって違います
- 常勤役員等が変わった場合は2週間以内
- 営業所技術者等が変わった場合も2週間以内
- 会社の代表者・役員が変わった場合
- 本店や営業所を移転した場合
- 営業所を新しく作る場合
- 商号・会社名を変更した場合
- 資本金を変更した場合
- 電話番号だけ変わった場合も確認
- 使用人数や定款の変更は毎年の決算変更届時に確認
- 変更届と決算変更届は違います
- 変更届を出していないと更新時に問題になる?
- 変更から何年も経っている場合は?
- 一部の許可業種をやめる場合は「変更届」ではなく廃業届
- 長野県の変更届は郵送または電子申請
- 2026年4月から一部書類の取扱いも変更
- 会社に変更があったときの確認手順
- 建設業許可の変更チェックリスト
- まとめ|変更があったらまず「2週間か30日か」を確認
建設業許可の変更届とは?
建設業許可を取得すると、許可申請時に、
- 商号
- 本店所在地
- 営業所
- 役員
- 常勤役員等
- 営業所技術者等
- 資本金
- 健康保険等の加入状況
などの情報を行政庁へ提出します。
これらの内容に変更が生じた場合、変更内容に応じて届出が必要です。
長野県も、
代表者、営業所所在地などに変更が生じた場合は、変更事項ごとに期限内に届出を行う必要がある
と案内しています。
重要
会社の登記を変更しただけでは、建設業許可の情報は自動的に変更されません。
法務局への変更登記と、建設業許可の変更届は別の手続きです。
変更届の期限は内容によって違います
建設業許可の変更届で特に注意したいのが、すべて30日以内ではないという点です。
代表的な変更を整理すると、次のようになります。
| 主な変更内容 | 提出期限の目安 |
|---|---|
| 常勤役員等の変更 | 事実発生後2週間以内 |
| 営業所技術者等の変更 | 事実発生後2週間以内 |
| 許可要件を欠いた場合 | 事実発生後2週間以内 |
| 商号・名称の変更 | 事実発生後30日以内 |
| 主たる営業所の名称・所在地変更 | 事実発生後30日以内 |
| 営業所の新設・変更等 | 事実発生後30日以内 |
| 法人役員等の変更 | 事実発生後30日以内 |
| 資本金額の変更 | 事実発生後30日以内 |
| 使用人数・定款等の変更 | 決算変更届等とあわせて事業年度終了後4か月以内 |
実際には変更内容によって必要書類も異なるため、最新の一覧は長野県「変更等の届出書類等一覧」で確認してください。
常勤役員等が変わった場合は2週間以内
建設業許可では、適切な経営管理体制を備えていることが許可要件の一つです。
その中心となるのが、常勤役員等です。
例えば、
- 常勤役員等を別の人へ変更した
- 常勤役員等が退職した
- 常勤役員等が要件を満たさなくなった
- 氏名が変わった
といった場合には、変更届の確認が必要です。
長野県では、常勤役員等に関する一定の変更について、事実発生後2週間以内の届出を求めています。
特に注意したいケース
常勤役員等が突然退職
↓
代わりの人がいない
↓
許可要件を満たせなくなる
という場合です。
変更届だけ出せば解決するとは限りません。
新しい常勤役員等が、必要な経営経験等の要件を満たしているかも確認する必要があります。
建設業許可全体の要件については、建設業許可の要件とは?小規模事業者向けに6項目を解説もご覧ください。
営業所技術者等が変わった場合も2週間以内
営業所技術者等も、建設業許可の重要な要件です。
例えば、
- 営業所技術者等が退職した
- 新しい技術者へ変更する
- 担当業種が変わった
- 保有資格が変わった
- 氏名が変わった
- 要件を満たさなくなった
場合などは届出が必要になります。
長野県では、営業所技術者等の変更についても、原則として事実発生後2週間以内の対応が必要です。
退職時は特に注意
例えば、
Aさん
→ 建築工事業の営業所技術者等
Aさんが退職
↓
後任者なし
となった場合、
単なる人員変更ではなく、建築工事業の許可要件を維持できない問題
になります。
そのため、営業所技術者等の退職予定が分かった段階で、後任者の、
- 国家資格
- 学歴
- 実務経験
- 常勤性
- 担当できる業種
を確認することが重要です。
営業所技術者等については、建設業許可の営業所技術者等とは?旧「専任技術者」と資格・実務経験を解説で詳しく解説しています。
会社の代表者・役員が変わった場合
法人の役員等に変更があった場合も、変更届が必要です。
例えば、
- 代表取締役が交代した
- 取締役が新しく就任した
- 取締役が退任した
- 役職が変わった
- 氏名が変わった
といった場合です。
こうした法人役員等に関する変更は、原則として事実発生後30日以内に届け出ます。
法務局の登記だけでは終わりません
例えば、
取締役変更
↓
法務局へ役員変更登記
↓
登記完了
としても、
建設業許可の役員情報が自動的に更新されるわけではありません。
別途、建設業許可の変更届を行う必要があります。
本店や営業所を移転した場合
会社や営業所を移転した場合にも変更届が必要です。
例えば、
- 本店を移転した
- 主たる営業所を移転した
- 従たる営業所を移転した
- 新しい営業所を設置した
- 営業所名称を変更した
といった場合です。
原則として事実発生後30日以内に届出を行います。
営業所移転で重要なのは住所だけではありません。
新しい場所について、
- 建設業を営む営業所としての実態があるか
- 使用権限があるか
- 常勤役員等や営業所技術者等との関係に問題がないか
も確認します。
そのため、
「会社登記を新住所へ移したから建設業許可も問題ない」
とは限りません。
営業所を新しく作る場合
営業所の新設についても注意が必要です。
建設業許可上の営業所は、単に、
- 倉庫がある
- 資材を置いている
- 電話がある
だけで判断するものではありません。
建設工事について、
- 見積
- 入札
- 契約
- 注文
- 請負契約に関する実質的な業務
を継続的に行う場所かどうかが重要です。
新しい営業所を設置する場合には、その営業所における、
- 営業業種
- 営業所技術者等
- 令第3条の使用人
- 社会保険関係
- 営業所の実態
などの確認が必要になる場合があります。
商号・会社名を変更した場合
会社名や商号を変更した場合も、変更届が必要です。
例えば、
株式会社ABC建設
↓
株式会社ABC
へ変更した場合、
法務局で商号変更登記を行った後、建設業許可についても変更届を行います。
商号変更は原則として事実発生後30日以内です。
許可通知書自体の扱いや、建設業許可番号の表示、店舗・現場の標識などについても、新しい商号との整合を確認しておくとよいでしょう。
資本金を変更した場合
法人の資本金額や出資総額が変わった場合も届出対象です。
例えば、
- 増資した
- 減資した
- 出資額を変更した
場合です。
資本金の変更についても、原則として30日以内に変更届を行います。
ただし、
資本金を変更した=建設業許可を取り直す
ということではありません。
現在の許可を維持したまま、変更内容を届け出ます。
電話番号だけ変わった場合も確認
営業所の電話番号についても、長野県の変更届手引では変更事項として扱われています。
営業所移転時には、
- 所在地
- 郵便番号
- 電話番号
などが同時に変わることも多いため、変更漏れがないよう確認します。
使用人数や定款の変更は毎年の決算変更届時に確認
変更事項の中には、2週間や30日ではなく、毎年の決算変更届とあわせて確認するものもあります。
代表的なのが、
- 使用人数
- 定款
などです。
これらに変更がある場合は、決算変更届関係の書類とあわせて、事業年度終了後4か月以内に提出することがあります。
決算変更届については、建設業の決算変更届とは?期限・必要書類・未提出時の対応で詳しく解説しています。
変更届と決算変更届は違います
「変更届」という名前が似ているため混同しやすいですが、
通常の変更届
と
決算変更届
は別の手続きです。
| 手続き | 主な内容 |
|---|---|
| 変更届 | 役員・商号・所在地・技術者等の変更 |
| 決算変更届 | 毎年の決算・工事実績・財務内容等 |
| 更新申請 | 5年ごとの許可更新 |
つまり建設業許可を取得した後は、
会社等に変更があったとき
→ 変更届
毎年
→ 決算変更届
5年ごと
→ 更新申請
という3つを分けて管理する必要があります。
変更届を出していないと更新時に問題になる?
変更届を出さないまま放置すると、更新時に、
以前提出した許可情報
と
現在の会社・営業所の状態
が一致しないことがあります。
例えば、
5年前の許可申請
→ 旧代表者Aさん
現在
→ 代表者Bさん
しかし変更届未提出
という状態です。
更新申請の際には現在の許可要件や会社情報を確認するため、未届の変更がある場合は、その整理が必要になります。
更新申請については、建設業許可の更新はいつから?期限・必要手続き・決算変更届を解説をご覧ください。
変更から何年も経っている場合は?
変更届の提出期限を過ぎているからといって、
「もう期限を過ぎたので提出しなくてよい」
ということにはなりません。
まず、
- いつ変更したか
- 何を変更したか
- 本来必要だった届出は何か
- 現在までに別の変更が重なっていないか
- 現在も許可要件を満たしているか
を確認します。
特に、
- 役員が何度も変わっている
- 営業所技術者等が途中で退職している
- 所在地を複数回移転している
といった場合は、時系列で整理する必要があります。
一部の許可業種をやめる場合は「変更届」ではなく廃業届
例えば、
現在の許可
→ 土木工事業
→ とび・土工工事業
→ 舗装工事業
のうち、
舗装工事業だけをやめる
場合があります。
この場合は単なる変更届ではなく、一部廃業の届出が必要になります。
長野県では、許可を受けた建設業の全部または一部を廃業した場合、原則として30日以内に廃業届を提出する必要があります。
同様に、
- 法人が解散した
- 個人事業主が死亡した
- 建設業全部を廃止した
場合なども廃業届の対象になります。
長野県の変更届は郵送または電子申請
長野県知事許可の場合、変更届は、
- 書面による郵送
- 電子申請
のいずれかで行えます。
書面の場合、現在は長野県庁建設政策課建設業担当へ郵送します。
2024年4月以降、各建設事務所では建設業許可申請・届出書類を受け付けていません。
詳しくは長野県「許可を受けた後の手続き」をご確認ください。
2026年4月から一部書類の取扱いも変更
長野県では、2026年4月1日受付分から、
「長野県税の納税情報の確認に関する同意書」
を添付することにより、対象となる手続きでは長野県税の納税証明書の添付を省略できるようになっています。
また、変更等の届出の場合は、長野県が案内している申請書類チェックシートの添付は不要です。
最新の提出書類は、長野県「変更等の届出書類等一覧」で確認してください。
会社に変更があったときの確認手順
STEP1 変更内容を特定
何が変わったのかを確認します。
↓
STEP2 変更日を確認
登記事項証明書、退職日、就任日などから事実発生日を確認します。
↓
STEP3 提出期限を確認
2週間
30日
事業年度終了後4か月
のどれに該当するか確認します。
↓
STEP4 許可要件への影響を確認
特に、
- 常勤役員等
- 営業所技術者等
- 営業所
の変更は、許可要件そのものへの影響を確認します。
↓
STEP5 必要書類を準備
変更届出書、登記事項証明書、資格資料、常勤性確認資料など、変更内容に応じて準備します。
↓
STEP6 期限内に提出
長野県知事許可は郵送または電子申請で提出します。
建設業許可の変更チェックリスト
会社に変更があった場合は、次を確認してください。
- 代表取締役が変わった
- 取締役が就任・退任した
- 商号を変えた
- 本店所在地を変えた
- 営業所を移転した
- 営業所を新設した
- 営業所名称を変えた
- 資本金を変更した
- 常勤役員等が変わった
- 営業所技術者等が変わった
- 営業所技術者等の資格・担当業種が変わった
- 健康保険等の加入状況が変わった
- 使用人数が変わった
- 定款を変更した
- 許可業種の一部をやめた
会社に何か変更があったら、登記・税務・社会保険だけでなく「建設業許可の変更届も必要ではないか」を確認する
という運用にしておくと、届出漏れを防ぎやすくなります。
まとめ|変更があったらまず「2週間か30日か」を確認
建設業許可取得後の主な変更手続きを整理すると、次のとおりです。
| 変更内容 | 主な期限 |
|---|---|
| 常勤役員等 | 2週間以内 |
| 営業所技術者等 | 2週間以内 |
| 許可要件を欠いた場合 | 2週間以内 |
| 商号・名称 | 30日以内 |
| 営業所所在地・新設等 | 30日以内 |
| 法人役員等 | 30日以内 |
| 資本金 | 30日以内 |
| 使用人数・定款等 | 事業年度終了後4か月以内 |
| 一部・全部廃業 | 30日以内 |
特に注意が必要なのは、
常勤役員等
と
営業所技術者等
です。
これらは単に行政へ登録している名前が変わるだけでなく、建設業許可を維持するための要件そのものに関係します。
行政書士植松悠一郎事務所では、大町市を拠点に、長野県全域の建設業許可について、
- 新規許可
- 更新
- 業種追加
- 決算変更届
- 各種変更届
に対応しています。
建設業許可全般については、建設業許可申請|大町市・白馬村・安曇野市周辺をご覧ください。
料金については料金案内をご確認ください。
「役員変更をしたが建設業の届出を忘れていた」
「技術者が退職する予定で、許可を維持できるか確認したい」
「何年も前の変更届を出していない」
といった場合も、現在の許可状況から整理できます。
ご相談はお問い合わせフォームから受け付けています。