「日本人と結婚している場合、10年日本に住んでいなくても永住申請できる?」
「配偶者ビザを取ってから3年待たないといけない?」
「結婚して3年以上経つけれど、日本に住み始めてまだ1年。永住申請できる?」
日本人や永住者の配偶者には、一般的な永住申請よりも短い在留期間で申請できる特例があります。
この記事の結論
日本人・永住者・特別永住者の配偶者の場合、原則10年の在留要件について、
実体を伴った婚姻生活が3年以上継続していること
+
引き続き1年以上、日本に在留していること
という特例があります。
ただし、「結婚3年+日本1年」を満たせば自動的に永住許可されるわけではありません。
在留期間、税金、年金・健康保険、婚姻の実態など、ほかの永住要件も確認されます。
現在の正式な基準は、出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」で確認できます。
- 通常の永住申請は原則10年以上の在留が必要
- 配偶者の場合は「結婚3年+日本在留1年」の特例
- 「結婚してから日本で3年住む」必要はありません
- 「結婚届を出して3年」で自動的に満たすわけではありません
- 配偶者ビザを3年間持っている必要はある?
- 在留期間が「1年」でも永住申請できる?
- 配偶者の場合、収入要件はどうなる?
- 税金は配偶者本人だけでなく扶養者も確認されます
- 年金・健康保険は直近2年間の資料を確認
- 「後からまとめて払った」場合は注意
- 日本人の配偶者なら「素行」は見られない?
- 配偶者からの永住申請で必要になる主な書類
- 日本人の配偶者は「理由書」が必須ではない
- 配偶者ビザから永住者になるメリット
- 永住申請中に配偶者ビザの期限が来たら?
- 2027年4月以降は「3年ビザ」の取扱いにも注意
- 配偶者から永住申請する前のチェックリスト
- まとめ|配偶者には10年在留の特例がある
通常の永住申請は原則10年以上の在留が必要
一般的な永住許可では、原則として、
引き続き10年以上、日本に在留していること
が求められます。
さらに、この10年間のうち原則として5年以上は、就労資格または居住資格をもって在留している必要があります。
しかし、すべての外国人にこの「10年」が適用されるわけではありません。
日本人、永住者、特別永住者の配偶者については、原則10年在留について特例が設けられています。
永住申請全体の要件については、
在留資格「永住者」の取得条件と審査期間
でも解説しています。
配偶者の場合は「結婚3年+日本在留1年」の特例
出入国在留管理庁の現在の永住許可ガイドラインでは、日本人、永住者、特別永住者の配偶者について、
実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上本邦に在留していること
とされています。
つまり、大きく二つの期間を確認します。
| 確認する期間 | 基準 |
|---|---|
| 実体を伴った婚姻生活 | 3年以上 |
| 日本での継続在留 | 1年以上 |
この二つは別々の条件です。
「結婚してから日本で3年住む」必要はありません
ここは特に誤解されやすいところです。
特例は、
日本で3年間結婚生活を送っていること
を要求しているわけではありません。
例えば、
海外で結婚
↓
海外で夫婦として2年間生活
↓
日本へ移住
↓
日本で1年以上継続して在留
という場合、
実体を伴った婚姻生活が合計3年以上あり、かつ日本で1年以上継続して在留していれば、期間要件について特例の対象となる可能性があります。
ポイント
婚姻生活3年
と
日本在留1年
は、同じ期間である必要はありません。
ただし、海外での婚姻期間も含め、実際に夫婦として婚姻生活を送っていたことが重要です。
「結婚届を出して3年」で自動的に満たすわけではありません
ガイドラインは単に、
婚姻期間が3年以上
とは書いていません。
求めているのは、
「実体を伴った婚姻生活」が3年以上継続していること
です。
そのため、形式上婚姻届が提出されていても、
- 長期間別居している
- 実際には夫婦共同生活がない
- 婚姻関係が事実上破綻している
といった事情がある場合は、単純に婚姻日から3年を数えるだけでは判断できません。
逆に、仕事や介護など合理的な理由による一時的な別居については、その事情や婚姻生活の実態を具体的に確認することになります。
配偶者ビザを3年間持っている必要はある?
「日本人の配偶者等」の在留資格を3年間保有し続けなければ、この特例を使えないという基準ではありません。
ガイドラインが見ているのは、
日本人・永住者・特別永住者の配偶者であること
と、
実体を伴った婚姻生活の期間
です。
例えば、日本で就労資格を持って働いていた外国人が日本人と結婚し、その後も就労資格のまま生活しているケースなどでは、現在の在留資格だけを見て「配偶者特例を使えない」と一律に判断するものではありません。
ただし、実際の申請では現在の在留資格、婚姻経緯、在留状況などを個別に確認します。
在留期間が「1年」でも永住申請できる?
別の重要な要件があります。
永住許可ガイドラインでは、現在持っている在留資格について、最長の在留期間をもって在留していることが求められます。
2026年8月現在は経過的な取扱いとして、在留期間「3年」を持っている場合も最長の在留期間を持っているものとして扱われています。
したがって、例えば「日本人の配偶者等」の在留期間が、
- 5年
- 3年
の場合は現在の取扱い上、この要件を満たす可能性があります。
一方、1年の在留期間について、3年と同様の特例はありません。
さらに、この3年の取扱い自体も2027年4月1日から変更されます。
詳しくは、
永住申請は3年ビザでもできる?2027年4月から変わる在留期間の要件
をご確認ください。
注意
「結婚3年以上+日本在留1年以上」
を満たしていても、現在の在留期間など別の条件を満たしていなければ、永住許可の要件をすべて満たしたことにはなりません。
配偶者の場合、収入要件はどうなる?
日本人、永住者、特別永住者の配偶者については、法律上、一般の永住申請で問題になる
- 素行善良要件
- 独立生計要件
への適合を要しないという特則があります。
ただし、ここから、
「配偶者なら収入は一切審査されない」
と考えるのは適切ではありません。
出入国在留管理庁が公表している配偶者向けの永住許可申請書類では、
- 申請人または申請人を扶養する方の職業
- 所得
- 納税状況
を証明する資料が求められています。
具体的には、会社員であれば在職証明書、自営業であれば確定申告書控え等を提出します。
さらに、申請人と扶養者について直近3年分の所得・住民税等に関する資料が求められています。
したがって、配偶者特例だからといって、世帯の生活状況や収入関係を確認せず申請するのは適切ではありません。
永住申請と収入については、
永住申請に必要な年収はいくら?収入・扶養人数の考え方
で詳しく解説しています。
税金は配偶者本人だけでなく扶養者も確認されます
配偶者からの永住申請では、税金も重要です。
出入国在留管理庁の現在の提出資料では、申請人だけでなく、申請人を扶養する方についても所得・納税関係資料を提出します。
配偶者の場合、原則として直近3年分の、
- 住民税の課税または非課税証明書
- 納税証明書
などが必要です。
また、給与から住民税が天引きされていない期間がある場合には、納付期限どおりに納付していることを確認する資料が必要になる場合があります。
重要
永住審査では、
「最終的に全部払ったか」だけでなく、「期限どおり履行していたか」
が問題になります。
税金や社会保険料については、
永住申請と年金・税金|未納・支払遅れはどう影響する?
もあわせてご覧ください。
年金・健康保険は直近2年間の資料を確認
現在、配偶者からの永住許可申請では、申請人と申請人を扶養する方について、原則として過去2年間の公的年金・公的医療保険の納付状況を証明する資料が求められます。
加入状況によって、
- 年金記録
- ねんきんネットの記録
- 国民年金保険料の領収証書
- 国民健康保険料の納付証明書
- 国民健康保険料の領収証書
- 健康保険資格に関する資料
などを提出します。
公式の必要書類は、出入国在留管理庁「永住許可申請1」で確認できます。
「後からまとめて払った」場合は注意
税金、国民年金、国民健康保険などについて、
未納だったものを申請直前にまとめて支払えば問題ない
とは限りません。
出入国在留管理庁は、永住許可ガイドラインで、公的義務について、
納付期限を遵守していること
も求めています。
そのため、
- 未納
- 納付遅れ
- 長期間の加入漏れ
などがある場合は、単に現在未納がないことだけで判断せず、いつ・どのような状況だったのかを確認する必要があります。
日本人の配偶者なら「素行」は見られない?
法律上、日本人・永住者・特別永住者の配偶者については、一般の永住許可における素行善良要件への適合を要しない特則があります。
ただし、
「何をしていても永住許可に影響しない」
という意味ではありません。
永住許可では、日本国の利益に合するかという要件が別にあり、公的義務の履行や在留状況などが確認されます。
また、個別の事情によっては審査上説明が必要になることがあります。
したがって、交通違反、刑事処分、入管法上の届出違反など、気になる事情がある場合は申請前に確認しておく方が安全です。
配偶者からの永住申請で必要になる主な書類
申請内容によって追加資料が必要になることがありますが、出入国在留管理庁が現在案内している主な資料には次のものがあります。
身分・婚姻関係
- 永住許可申請書
- 写真
- パスポート・在留カード
- 家族全員の住民票
- 日本人配偶者の戸籍謄本
- 国籍国発行の婚姻証明書等
職業・所得
- 在職証明書
- 確定申告書控え等
- 直近3年分の住民税関係資料
年金・健康保険
- 直近2年間の年金納付状況資料
- 直近2年間の健康保険関係資料
その他
- 身元保証書
- 身元保証人に関する資料
- 了解書
- 個別事情に応じた追加資料
2026年6月14日以降に交付される在留カードについては、写真に関する取扱いも変更されていますので、申請時には最新の必要書類一覧を確認してください。
日本人の配偶者は「理由書」が必須ではない
就労資格などから永住申請する場合、永住を希望する理由を記載した理由書を提出します。
一方、出入国在留管理庁の現在の配偶者向け必要書類一覧では、日本人・永住者・特別永住者の配偶者について、永住許可を必要とする理由書は必須書類とされていません。
ただし、
- 婚姻生活について説明が必要
- 別居期間がある
- 納付遅れ等について事情説明が必要
- 通常とは異なる在留経緯がある
といった場合には、必要に応じて説明資料を追加することがあります。
配偶者ビザから永住者になるメリット
永住許可を受けると、在留資格「永住者」となり、活動内容と在留期間の制限がなくなります。
配偶者系の在留資格との大きな違いとして、
在留期間更新が不要
永住者には在留期間の期限がありません。
ただし、在留カードそのものには有効期間があり、必要な更新手続きは残ります。
就労活動の制限がない
職種や勤務先による在留資格上の就労制限を受けません。
在留資格が婚姻関係そのものに依存しなくなる
「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」は、婚姻関係という身分・地位を基礎とする在留資格です。
永住者になれば、在留資格そのものが配偶者としての身分に基づくものではなくなります。
永住申請中に配偶者ビザの期限が来たら?
永住申請を出していても、現在の在留資格の期限は自動的に延長されません。
例えば、
配偶者ビザの期限
→ 2027年1月
永住申請
→ 2026年8月
永住審査
→ 2027年1月時点でも継続中
という場合には、現在の「日本人の配偶者等」などについて、別途在留期間更新許可申請を行う必要があります。
永住申請と現在のビザ更新は別手続きです。
永住許可の審査中も、現在の在留資格を適法に維持してください。
2027年4月以降は「3年ビザ」の取扱いにも注意
現在、在留期間「3年」を持っている場合は、永住許可ガイドライン上「最長の在留期間」として取り扱われています。
しかし、この取扱いは2027年4月1日から変更されます。
「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」には5年の在留期間もあるため、今後の永住申請では現在の在留期間をこれまで以上に慎重に確認する必要があります。
経過措置を含む詳細は、
永住申請は3年ビザでもできる?2027年4月から変わる在留期間の要件
をご確認ください。
配偶者から永住申請する前のチェックリスト
申請を検討している場合は、まず次を確認してください。
- 日本人・永住者・特別永住者との婚姻関係がある
- 実体を伴った婚姻生活が3年以上続いている
- 日本に引き続き1年以上在留している
- 現在の在留期間を確認した
- 住民税の納付状況を確認した
- 国民年金・厚生年金の記録を確認した
- 健康保険料の納付状況を確認した
- 配偶者・扶養者側の税・社会保険も確認した
- 収入・職業関係資料を準備できる
- 長期間の別居がある場合は事情を整理した
- 長期出国の有無を確認した
- 現在の在留期限を確認した
申請時期を決める前に
婚姻期間だけでなく、在留期間・税金・年金・健康保険まで一度まとめて確認することが重要です。
まとめ|配偶者には10年在留の特例がある
日本人、永住者、特別永住者の配偶者については、一般的な「10年以上日本に在留」という要件に特例があります。
| 確認項目 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 婚姻生活 | 実体を伴って3年以上 |
| 日本での在留 | 引き続き1年以上 |
| 10年以上の在留 | 配偶者特例では不要 |
| 現在の在留期間 | 別途確認が必要 |
| 所得・住民税 | 申請資料として確認 |
| 年金・健康保険 | 原則直近2年間を確認 |
| 結婚3年で自動許可 | ならない |
最も重要なのは、
「配偶者だから簡単に永住許可される」
と考えるのではなく、
配偶者向けの特例を使えるか確認したうえで、永住申請全体の条件を確認すること
です。
永住許可全体については、
在留資格「永住者」の取得条件と審査期間
をご覧ください。
収入について不安がある場合は、
永住申請に必要な年収はいくら?
をご確認ください。
税金・年金については、
永住申請と年金・税金|未納・支払遅れはどう影響する?
で詳しく解説しています。
行政書士植松悠一郎事務所では、長野県での永住許可申請、配偶者ビザその他の在留資格申請に対応しています。
永住許可申請の報酬は**132,000円~**です。
詳細は料金案内をご確認ください。
「結婚3年の数え方が分からない」
「海外での婚姻期間を含められるか確認したい」
「配偶者は日本人だが、自分はまだ就労ビザのまま」
「税金や年金に不安があり、今申請してよいか確認したい」
といった場合も、現在の状況から整理できます。
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